常総学院が、まさかの準々決勝敗退だ。

春夏優勝2度、準優勝2度、平成の甲子園勝利数全国8位。新チーム発足以来134勝16敗。ほとんどが強豪校相手にもかかわらず勝率は驚異の8割9分3厘。6月に行われた練習試合では、日体大にも勝利した。高校野球関係者の間では「甲子園優勝を狙えるクラス」と評判だった。大金星を挙げた常磐大高の大和佑一郎外野手(3年)が「明日、新聞載りますか?」と興奮を抑えきれずに話すのも無理はない。

1番から9番までの総本塁打は137発。中軸には、プロ注目菊田拡和外野手(3年)と斉藤勇人内野手(3年)が並び、投手陣には最速150キロ右腕、140キロコンビ、アンダーハンド、軟投派左腕が待機していた。足が使える選手も多く、“一ゴロを内野安打にする男”と“常総のチーター”と呼ばれるスペシャリストもそろった。まさに最強の布陣だった。

この日は、細かなミスが目立ち2本の本塁打も空砲に終わった。逆転打を許した菊地竜は「5点の援護を守りきれないなんて…。先輩たちに申し訳ない」と涙した。

同高は、春のセンバツ出場が懸かった昨秋の関東大会、春の県大会で最終回に大逆転負け。この日もその悪夢を払拭(ふっしょく)できなかった。「やれる練習は全てやってきた。悔いはありません」。甲子園制覇だけを夢見てきた関東の雄が大粒の涙とともに球場を後にした。【倉田祥太】