大分大会でソフトバンク内川の母校・大分工が、今宮悠斗(はると)捕手(3年)の活躍で9年ぶりのベスト4進出を決めた。先制2点適時打を含む3打点。ソフトバンク今宮、甲斐に憧れる「今宮くん」が延長11回の激闘の末、2投手をリードして勝利に導いた。

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ソフトバンク内川の母校を「今宮くん」がベスト4に導いた。大分工4番主将の今宮が初回、先制の2打点に8回にも適時打を放って3打点。2人の投手をリードし、9回に追いつかれる苦しい展開ながら、延長戦での勝利をもたらした。

1回1死二、三塁で2点適時二塁打。8回には追加点をたたき出した。「これまであまり打ってチームに貢献してなかったので打ててよかった。雨で順延している間に、すべて修正して臨んだのがよかった」。別府出身で明豊出身のソフトバンク今宮と同姓。「関係はないと思います」というが「やっぱり意識します。周りからも構えが似てると言われて、それから動画を見るようになりました」。この日も「リラックスした構えにしたおかげです」と今年打撃好調の今宮ばりの「脱力打法」で2安打3打点の結果を出した。

先発して9回途中に降板した日高翔太投手(3年)とは1年秋からバッテリーを組む。日高も「今宮は自分の持ち味を引き出す配球をしてくれて頼りになります」と信頼を置く。9回に同点に追いつかれ、なおも無死一、二塁のサヨナラの危機で登板した背番号11の田中健聖投手(2年)には「お前が頼りだから」と今宮がハッパをかけ、ピンチを脱出した。

中学までは投手も含めてほとんどのポジションをこなし「捕手不足ということで高校から捕手をやることになった」という。だが、今では「打撃では今宮さんですが、捕手としては甲斐さんを目指してます」と胸を張る。大分が生んだソフトバンクのスターを追い続ける4番主将が、大分工を9年ぶりの頂点に導く。【浦田由紀夫】