<高校野球東東京大会:関東第一9-1日大豊山>◇25日◇準々決勝◇神宮球場

日大豊山には元気印がいる。三塁コーチを担った主将の金盛徳睦内野手(3年)だ。元々は遊撃手だった。3月、練習でチームメートと交錯し、右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。選手としては、夏が絶望的となった。「もう終わったと思った」。診断後も悩み続けた。「プレーできないのは悔しい。でも内野手事情を分かっていて、主将として監督と選手のかけ橋になってきた僕なら三塁コーチもできると思えた」。

けがをした後も、声でチームを鼓舞した。時には選手の相談に乗り、監督とのかけ橋に。二遊間を組んでいた白拍子源一郎内野手(3年)は「金盛は常に前向き。自分が大変なのに誰よりも引っ張ってくれた」と話した。

秋、春と予選敗退した。福嶋直也監督(33)は「秋、春とあんな負け方をしたのに、最高の練習ができたのは間違いなく金盛がまとめてきたチームだから。教え子に恵まれました」とたたえた。【加藤理沙】