全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園球場)に出場する県代表・日本文理(2年ぶり10度目)の甲子園ベンチ入りメンバー18人が26日、決定した。

東京学館新潟との決勝(24日)で本塁打を放った長谷川優也三塁手(2年)は、県大会から引き続いて背番号「5」をつける。チームのキーマンに成長した2年生が甲子園でも存在を示す。

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少し緊張した。それでも「5番、長谷川」と金子慧部長(37)に呼ばれると、長谷川は間髪入れずに「ハイッ」と力強く応える。午前8時30分から1時間30分ほど練習した後に行われたメンバー発表。「優勝した日は喜んで、昨日(25日)の練習から気を引き締めた。今日のメンバー発表で、選ばれなかった人たちのためにもやらなければと思った」。部員を代表する1人として甲子園のベンチに入る自覚が長谷川の中で一気に芽生えた。

この日は優勝が決まってから初めて打撃練習をした。1時間ほど打ち込み下半身の使い方などを確認。「感触は悪くない」。今夏の県大会は3番三塁手でスタメン。決勝の東京学館新潟戦ではソロ本塁打を含む5打数3安打3打点をマークした。2回戦から4回戦までは計3安打0打点だったが、準々決勝の五泉戦からの3試合で計6安打4打点。尻上がりだった感覚の良さを残している。

何より「ベンチ外の選手のためにも活躍したい」という気持ちが強い。4回戦後、不振からフォーム修正を考えていた時、ベンチ外のチームメートたちに「そのままで大丈夫」と励まされた。「自分のフォームばかり気にしていた。あれで気が楽になった」。支えくれたメンバーは甲子園でも変わらず支援してくれる。「5」番とともに感謝と期待を背負うつもりだ。

鈴木崇監督(38)は「これからもっと、いろいろなことを経験して、成長してもらわなければならない選手」と言う。1年生の春から主力に座る逸材。今度は高校入学後、最大のステージが待つ。「県大会の成績は甲子園では関係ない。しっかり調整する」。気持ちを入れ直し、本番に備える。【斎藤慎一郎】

◆長谷川優也(はせがわ・ゆうや)2002年(平14)8月6日生まれ、新潟市出身。大野小1年の時に黒埼ヤンキースで野球を始める。黒埼中では主に投手で、3年の春季県大会優勝。内野手としてU-15日本代表に選出され、U-15アジア選手権で優勝した。日本文理では1年春からベンチ入り。好きなプロ野球選手は巨人坂本勇人。175センチ、72キロ。右投げ右打ち。