第101回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の南北北海道代表、北照と旭川大高が26日、札幌市内での壮行会に出席し、北海道庁も表敬訪問した。

旭川大高エース能登嵩都(3年)は、甲子園での完封勝利を目標に掲げた。旭川大雪ボーイズ時代のチームメートで、聖地での再会を約束していた横浜・吉原大稀外野手(3年)が、25日の神奈川県大会準々決勝で敗退。敗れた仲間たちの思いも背負い、甲子園での勝利を目指す。

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札幌市内で一般公開で行われた朝日新聞社の壮行会で、能登が力強く、聖地での快投を誓った。「甲子園で完封してチームを勝利に導きたい。守備からリズムをつくるのが旭川大高の野球。投手がゼロに抑えれば理想の展開になる」。達成すれば、北北海道勢では68年夏の北日本学院(現旭川大高)エース有沢賢持(元ヤクルト)以来51年ぶりとなる。初の聖地で力を出し切り、同校に甲子園初勝利をもたらした偉大な先輩に並ぶ。

仲間たちの思いを胸に、聖地に立つ。旭川大雪ボーイズ時代のチームメートで、今春センバツで大会1号を放った横浜・吉原が25日、神奈川県大会準々決勝で公立の相模原に敗れた。同チームの捕手として能登のボールを受けていたのが吉原だった。「春の1号本塁打は練習の休憩中にテレビで見ていた。自分もあの舞台でやりたいと強く思った。今度は自分が、出られない仲間の分まで頑張って投げたい」と意気込んだ。

ボーイズ時代は3番手投手。エースは南大会準々決勝で敗れた札幌第一の左腕・畠山和明だった。センバツで吉原が本塁打を放った際は、畠山と2人でグループLINE(ライン)に「すごいね!」と祝福メッセージを送ったが、自分だけ聖地にいないもどかしさがあった。「何とかここまできた。次の目標は甲子園で勝つこと」。はい上がってきた男が、貪欲に次のステップを狙う。

昨夏はベンチ外も、補助メンバーとして関西入り。聖地での公式練習の代わりに行われた甲子園見学で、先輩の沼田翔平(現巨人育成)に誘われマウンドに立った。「屋根でネット裏の空が見えない。不思議な感覚だった。投手としてあの舞台に立てるのがうれしい。早く投げたい」。今春、最速144キロを記録。北大会決勝を6安打無四球完封で締めた背番号1が、大観衆の前で、さらに成長した姿を披露する。【永野高輔】

◆旭川大高の端場雅治監督(50) 昨年8月6日の敗戦から1年間、甲子園で勝つことを目標にやってきた。ここまで選手たちはよく頑張ってくれた。これからは北海道の代表として、甲子園で勝てるように頑張りたい。