名門明徳義塾が逆転で2年ぶり20度目の夏甲子園に王手をかけた。

初回に先制を許し、6回まで岡豊のエース右腕植田ジゲン(3年)の前に無得点。それでも、7回に同点とすると8回。1死二塁から3番鈴木大照内野手(2年)が左前へ勝ち越しタイムリー。本塁は際どいタイミングとなったが、ヘッドスライディングで飛び込んだ二塁走者古沢怜大外野手(3年)の手が先に入った。古沢はこの走塁で左手中指を負傷しながらも「絶対に(本塁に)行ってやろうと思っていました」と振り返った。

投げては6回から登板した2番手山田圭祐(3年)が無安打無失点リリーフ。名門の底力で11年連続の決勝進出を決めた。

馬淵史郎監督(63)は試合後、額に汗を浮かべながら「この汗は冷や汗やろか」。名将も苦しんでの辛勝に一安心の様子だった。

6回には、先発して1失点と粘っていたエース林田大成(3年)に代打を送るなど、攻撃的な采配。「(選手たちに)攻めていく姿勢を見せていかないとね」と意図を話し、終盤の鮮やかな逆転劇を呼び込んだ。28日決勝は高知-高知商の勝者と対戦する。

春夏通じて初の甲子園を目指した岡豊は、植田が強豪相手に9回を投げきるも、最後は力尽きた。