立命館宇治が「オール立命館」で野球部の危機を救った。

3日の組み合わせ抽選会で、吉村仁主将(3年)が7日の大会2日目第4試合のクジを引いたが、その日は吹奏楽部のコンクールと同日で応援に参加できないことに。「一部の方から(大会)3日目以降を引いてと言われていたが引いてしまった。吹奏楽がなくても、応援してくれる人の思いを背負ってがんばる」と意気込んでいた。

だが、その窮地を救ったのが立命館宇治の中学生と系列校の立命館大生だった。高校の吹奏楽部約70人の代わりに、中学生が26人と立命館大生で同部OBが約20人参加。最終的なメンバーが決定したのは前日6日の午後4時。招集されたメンバーの中には大学の卒業生も2人ほど含まれていたという。曲の打ち合わせは試合会場に向かう移動中のバスで約1時間半行った。

米国テキサス州出身のチャールズ・フォックス校長(68)は「オール立命館という感じ。気持ちいい」と笑顔で話した。吹奏楽部のコンクールにもなるべく出席するようにしているという校長は、今回出席できないことについて「ブラスバンドの生徒たちに謝ったよ」と明かし、さらに「日本の高校の夏はいろいろなことをするから、全てに出席しようとすると校長が10人いても足りない」とうれしさをにじませながら嘆いた。

試合はエースの高木要投手(3年)が3安打完封の好投を見せ、勝利。里井祥吾監督(36)は、「学園をあげてアルプスで応援してくれた。幸せを感じた」と語った。