「王貞治風」1本足で聖地にアーチを掛ける。第101回全国高校野球選手権(甲子園)南北海道代表の北照が8日、兵庫・西宮市内で約2時間の練習を行った。

3番の斎藤優斗左翼手(2年)が実戦形式の練習で1本塁打を含む2打数2安打と絶好調。11日の中京学院大中京(岐阜)戦で、16年北海の川村友斗(仙台大2年)以来となる道勢3年ぶりの1発を狙う。

鶴のような麗しいフォームから振り抜き、外野ネットへ運んだ。1打席目で三塁線をゴロで抜く二塁打を放った斎藤は、2打席目で右越え本塁打。「関西入りから打撃が本当に調子がいい。この感覚を維持して甲子園でも本塁打を打てたら」と意気込んだ。

中学から1本足に変え、高校では2学年先輩で同じフォームの八和田恭希のアドバイスを受け磨きをかけた。「八和田さんから王さんの話を聞いて、このフォームならたくさん本塁打を打てると確信した」。時間があれば世界新記録756号の動画を見て、王の代名詞でもある右への1発を、最高の形と信じてきた。

7日、旭川大高の持丸が9回に右翼へ放った強烈な打球が浜風に押し戻され右飛になった。スタンド応援で目の当たりにし「旗の流れを見て浜風が厳しそうなときは、反対方向に打てばいい」。上林弘樹監督(40)も「左右打ち分けられるのがいいところ」と話しており、風次第で狙いを変え、効果的な長打を放つ。

3年前の北海川村も2年生の左のスラッガーで名前も同じ「ゆうと」。2年連続出場という状況も重なる。「何とかチームのために1本打ちたい」。北照は南大会本塁打ゼロ。短打を土台に勝ち上がったこつこつ打線に、1発でアクセントを加える。【永野高輔】