来春に女子硬式野球部を創部する駒大苫小牧は20日、茶木圭介男子野球部前部長(41)が初代監督に就任すると発表した。

同部長は、04年に副部長、05年に部長として夏の甲子園連覇に尽力。当時監督だった香田誉士史氏(48=現西部ガス監督)の後押しもあり、新たな船出を託されることになった。また、ユニホームも発表され、全国制覇2回、準優勝1回の男子と同じモデルで、3年後の日本一を目指す。

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駒大苫小牧女子硬式野球部の骨格ができあがった。初代監督に決まった茶木氏は「現場で培ってきたノウハウを生かして、3年後には日本一を目指したい。将来的には日本を代表する選手を輩出できたら」と抱負を語った。

茶木氏は同校の男子野球部を20年近く指導。初代監督の人選を進めていた笹嶋清治校長(62)は、2度甲子園制覇した香田元監督に相談した。同校長は「茶木監督で行こうと思っていると話すと、香田さんも『情熱がある男だし面白いと思う』と賛同してもらえた」と振り返った。

茶木氏も6月に就任を打診された際、香田元監督に相談していた。「圭介がやれば女子の発展につながるんじゃないか」。男子は07年以降夏の甲子園を逃しており、もう1度男子で聖地へという思いがあったが「最後に決め手になったのは香田さんに後押ししてもらったから。香田さんから学んだ何事も真剣に取り組む姿勢、あきらめない心というものを受け継いでいけたら」と話した。

今後は女子野球の指導経験がある部長、コーチの人選をすすめ、来春のスタートを目指す。茶木氏は8月下旬に京都での全日本女子中学軟式大会を視察し、女子野球部創設をPRするチラシを配ってまわった。「男子野球部が全国的に強かったのは十数年前。ぴんときていない子もいたが、親の世代は認識してくれる方は多かった」と言う。甲子園経験校の女子硬式野球部は道内初で、その知名度も生かし、1期生15~20人でのスタートを目指す。

練習場所は、同校ソフトボール場に加え、とましんスタジアムや苫小牧清水球場なども利用する方向で詰めている。ユニホームは日本一2度の男子デザインを踏襲しつつ「体形や動きやすさも考慮して(笹嶋校長)」左胸の「駒沢」を男子の刺しゅうから女子はプリントにした。香田イズムの中に、女子らしさも加えながら、新たなチームづくりを進める。【永野高輔】

◆茶木圭介(ちゃき・けいすけ)1977年(昭52)10月13日、札幌市生まれ。北海道桜丘(現北海道栄)、苫小牧駒大では内野手としてプレー。01年から駒大苫小牧野球部臨時コーチ、02年副部長就任。04年は副部長、05年は部長として夏の甲子園連覇を経験。05年秋以降、一時指導を離れ10年春に部長復帰。14、18年センバツ出場。家族は妻と3男2女。

◆道内の女子硬式野球チーム 高校は17年に創部した札幌新陽1校。同校は今年3月の全国高校女子選抜8強、夏の全国高校女子選手権では初の4強に進出した。現在は一般の札幌ホーネッツレディースと札幌新陽の2チームで、来春からは大学の札幌国際大も発足し、計4チームとなる。