大阪桐蔭が誇る逸材がついにデビューした。10点リードで迎えた4回。中学時代に軟式で最速146キロを記録した関戸康介投手(1年)が公式戦初のマウンドに上がり、2回を3奪三振無安打無失点に抑えた。

何度も帽子を飛ばしながら右腕を振った。「緊張で球が少し浮いた」と先頭打者に死球。いきなり走者を背負ったが「先輩が優しくリードしてくれて楽しく投げられた」と球威のある直球を軸に攻め、次打者を3球三振。2死から四球を許したが後続を断ち、5回は3者凡退で試合を締めた。

高知・明徳義塾中では3年夏に全国準優勝を経験。文武両道と野球の実績に憧れて大阪桐蔭に入学し、今月中旬に硬式球で146キロをマークした。軟式で150キロを記録した森木大智投手(1年=高知)とは中学時代にしのぎを削った間柄。「森木を超していかないと日本一、世界一の投手にはなれない。いいライバルとして成長したい」とこの春に一足早く高校デビューを飾った同級生右腕を発奮材料にする。

チームは岸和田に13-2で5回コールド勝ち。松浦慶斗投手(1年)も先発し3回4安打2失点。西谷浩一監督(50)は「初々しく、力が入っていた。それも一生懸命やっている裏返し。藤江(星河投手=2年)をおびやかす存在になってほしい」。最強軍団復活へ、頼もしい役者がそろっている。【望月千草】藤江(星河投手=2年)をおびやかす存在になってほしい」。最強軍団復活へ、頼もしい役者がそろっている。【望月千草】

◆関戸康介(せきど・こうすけ)2003年(平15)長崎県佐世保市生まれ。広田小ではセインツジュニアで野球を始め、小6時に福岡ソフトバンクホークスジュニアに所属し投手。高知・明徳義塾中に進み、所属した軟式野球部では3年夏の全国大会で準優勝。軟式でも最速146キロをマーク。今春、大阪桐蔭に入学し1年秋からベンチ入り。憧れは元大リーガーの野茂英雄氏。178センチ、75キロ。右投げ右打ち。