12日秋季高校野球北信越大会が開幕する。

春秋通じて初の北信越大会挑戦となる県3位の加茂暁星。1回戦で敦賀気比(福井1位)と対戦する。県大会で左肘の故障から復活した砂川功樹投手(2年)が12日の初戦に向け、調子を上げている。「強い相手だが自分たちの野球を貫きたい」と砂川。右の藤井聖也投手(2年)との“ダブルエース”で強豪に立ち向かう。

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降雨のため体育館での屋内練習。砂川のボールがキャッチボール相手に到達するたびに館内に心地よいミット音が響く。感覚を確かめるように30球。「OK」と投球練習を終えた。初戦の相手は福井大会決勝の敦賀戦で24安打で27得点を奪い、優勝した敦賀気比。秋季北信越は18回目という強豪との対戦に向け「楽しみ。勝てば一気に優勝候補になれる」と砂川は心を弾ませる。

初の北信越をつかみ取った県大会は勝つ難しさも味わった。延長戦の死闘となった準々決勝の中越戦。砂川は6回から先発藤井の後を受け、2番手で登板した。6-4と2点リードの9回1死から3安打と暴投で2失点。あとアウト2つから同点を許し、再びマウンドを藤井に託した。

延長12回、9-8で勝利も「終わらさなくてはいけない場面。勝ちを意識してしまった」と9回の投球を猛省する。それ以前の3イニングは被安打1に抑え込んでいただけに「最後のアウトまで気を抜けないと改めて学んだ」。

夏から左肘炎症に苦しみ、ノースロー調整が続いた。投げられるようになったのは秋季大会2週間前だった。「試合勘がなく、ぶっつけ本番と言える状態だった」。不安を抱えながらも登板を重ね、大会中に藤井との2枚看板が確立した。

「キーマンは砂川」と高橋諒監督(25)。「砂川と藤井。2人が最少失点に抑えれば打力には自信がある」と言う。左右のエースが試合を作ることができれば勝機は見えてくる。【山岸章利】

◆砂川功樹(すながわ・こうき)2002年(平14)5月17日生まれ、神奈川県川崎市出身。川中島小-川中島中。小2で野球を始め、少年野球では外野手兼投手で中学は投手。中3春に川崎市の大会で準優勝。好きな教科は日本史。憧れのプロ野球選手は楽天松井裕樹投手。A型。172センチ、67キロ。左投げ左打ち。