秋季北信越大会初戦を翌日に控えた11日、新潟県王者・北越は試合会場の金沢市民野球場で公式練習に臨んだ。主将でエースの阿部柚士郎投手(2年)は「普段通り、チーム一丸となって戦っていきたい」と平常心を心掛ける。持ち時間の1時間、ナインは時折、笑顔も見せながら12日の北陸(福井3位)との初戦に向け、調整した。

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笑顔あふれる公式練習だった。阿部はマウンドでの投球練習、捕手を座らせてストレートを中心に40球を投げた。「緊張感というよりは楽しみの気持ちが強い」。北信越大会は来春のセンバツへの重要な選考資料となる大会だが、阿部はリラックスした表情だった。

県大会では準々決勝(長岡工戦、2-0)、準決勝(加茂暁星戦、1-0)を連続完封。決勝は連戦の疲れもあり5失点(11-5新潟産大付)を喫したが、秋8年ぶり県王者へ、阿部の貢献度は高かった。「県大会のいい感覚で投げられている」。北越のエースは好調を維持する。

この日の練習中、守備練習をする内・外野陣に積極的に声を掛けた。台風19号の影響で金沢市内も12日は大雨、13日も強風が想定されるが、阿部は「チーム全員で話し合っているし、天候のことは、みんな頭に入っていると思う」。

天候やグラウンドの状況に関しては、小島清監督も「今日(11日)よりもいい環境でできることはないと思う。最悪を想定しよう」と選手に話す。堅実な野球で上位進出を狙う。【山岸章利】