明徳義塾(高知)が快勝し、2年ぶりの優勝。明治神宮大会への出場を決めた。1回戦の相手は因縁の星稜(石川)。公式戦では92年の夏の甲子園で星稜・松井秀喜を5連続敬遠し、勝利して以来、27年ぶりだ。

星稜との再戦にも明徳義塾・馬淵史郎監督(63)は落ち着いたものだった。当時も指揮を執っていた名物監督は「公式戦はあの時以来みたいだけど、星稜とは何回も練習試合しているからね。林くん(星稜・林和成監督)とも親しくさせてもらっているし。それより星稜は強いらしいから、勉強させてもらいますよ。楽しみやね。一生懸命やって、いい試合にしたいね」と明るい口調で話した。

今夏の甲子園にともに出場。大会中の練習場所が一緒になり、両監督は20分近く談笑した。明徳義塾があと1勝していれば対戦していたが、かなわなかった。

◆明徳義塾-星稜VTR 92年8月16日、夏の甲子園2回戦。明徳義塾は超高校級の松井を5打席連続で「敬遠」。3-2で勝利した。ストライクは1球もなく、松井は1度もバットを振らなかった。試合中にメガホンが投げ込まれ、星稜の選手が拾いに走る異例の光景も。「高校野球らしくない」と社会問題にまで発展した。松井は敬遠されても淡々と一塁に走り、敗戦後に涙をこらえて話す姿が共感を呼んだ。