日本高野連が設けた「投手の障害予防に関する有識者会議」の最後となる第4回の会合は5日、大阪市内で開かれ、答申の骨子をまとめた。

大きな柱は3つ。

<1>「競技団体としての責務」 高野連が主催する大会で1人の投手の1週間での総投球数を500球以内にすること。

<2>「加盟校が主体的に行うべきこと」 複数投手の育成や練習過多による故障発生をしないように配慮すること。

<3>「野球界全体で取り組むべき課題の検討」 指導者のライセンス制の検討など。

会議に参加した早大・小宮山悟監督(54)は「ここ数年そういう(投球制限などの)流れになっているからこそ、それを加速させるために、意識づけになるようになれば。当たり前になる日が来るのが理想。故障を未然に防ぐことがどれだけ重要か。そういう時代が来ればと思う」と話した。

球数制限に関しては降雨などでノーゲームになった場合もカウントされる。会議では今後、スコアボードに球数を表示することなども話題に出た。

中島隆信座長(59)は「ボロボロまで投げ続けて、かつては美談だったが、今はそういう時代ではない」と話した。来春のセンバツから始まる3年の試行期間は罰則のないガイドラインとし、その中でさまざまな状況を把握する考えだ。

昨年12月に1試合100球の球数制限を新潟県内で提案し、この会議にも参加した新潟県高野連の富樫信浩会長(58)は「あれは我々の勇み足だったが、そこでハレーションが起きたことでこうなったと思っている。議論が進んだことがすばらしい。高野連が意見を吸い上げる姿勢を見せてくれた」と喜んだ。

20日に日本高野連・八田英二会長(70)に答申を手渡し、日本高野連が29日の理事会で検討し、承認を得れば来春のセンバツから適用される。