日本一メンバーの助言を生かし北海道勢2連覇を狙う。

第50回記念明治神宮大会高校の部(15日開幕、神宮)に初出場する白樺学園が13日、横須賀市内で約4時間の練習を行った。今大会から唯一、新たにメンバー入りしたチーム最長身の191センチ右腕、奥村柊斗投手(2年)は16日の初戦国士舘戦(東京)に向け「チャンスが来たら勝利に貢献できるよう、全力で投げたい」と意気込んだ。

全道大会は片山楽生、坂本武紗士(ともに2年)の両右腕を軸に勝ち上がったが、明治神宮大会で優勝するには、16日の初戦から20日決勝まで、中1日で3試合をこなすことになる。短期決戦を見込んで、戸出直樹監督(44)は片山、坂本、一塁兼務の岩田拳弥(2年)、1年生の葛西凌央に続く5人目の投手として、復調してきた奥村を新たにベンチに加えた。同監督は「投手の枚数は多い方がいい。片山の調子も戻ったし、チャンスを与えられたら」と説明した。

12日には、昨秋の明治神宮大会で登板し、初出場初優勝に貢献した札幌大谷の198センチ左腕、阿部剣友(2年)と電話で話し、神宮の印象を聞いた。同じ190センチ台の長身投手からのアドバイスに、奥村は「(神宮は)四方から観客に見られる感じなので、あまり気にしないようにと言われた。もし登板したら緊張すると思うけど、集中して投げたい」と話した。

昨秋の阿部は、全道大会登板なしの“秘密兵器”として2回戦国士舘戦に先発。1回無失点と好投し、この試合でエース西原健太(3年)らを温存したことが、優勝への道筋をつくった。奥村は阿部以上に、データが少ない。公式戦登板は、5月の春季全道大会十勝地区予選帯広緑陽戦だけで、夏はベンチ外。秋は地区予選のみベンチ入りし、登板はなかった。神宮で登板すれば半年ぶりとなり「僕のデータはないはず。どこかで投げて、片山や坂本を助けたい」と前を向いた。

中学時代に158センチから189センチまで身長が伸び、191センチとなった現在も「歩いていて少し視線が上がったと感じるときがある。まだ伸びていると思う」。最速143キロの伸び盛り“隠れニューパワー”が、大舞台での快投を思い描く。【永野高輔】