球速、飛距離、俊足等々「○○自慢」がそろう今秋ドラフト候補を紹介する。初日は高校生編。明石商・中森俊介投手(2年)は最速151キロの「スピード自慢」。肉体強化に取り組み、160キロを目指す。

中森の自慢のひとつが「スピード」だ。昨夏の甲子園。2年生歴代2位の151キロを記録した。力強い直球、変化球ともに精度が高く、今秋のドラフト上位候補に名を連ねる。

大きな夢がある。「入学当初から、160キロを投げたいとずっと思っています」。高校生で160キロ。過去、大谷翔平と佐々木朗希の2人だけが到達した次元を思い描く。「3年の夏に、それに届くくらいの球を放れたら。目標を高く持った方が良いというように、高みを目指してという思いです」。182センチ、86キロのがっちりボディーが、不可能を感じさせないムードを醸し出している。

シーズンオフの現在は、下半身や体幹などの土台強化や、やや硬さのある肩の可動域拡大にも注力。狭間善徳監督(55)も「これを強くしたら、化けもんみたいな球投げるんちゃうかなという伸びしろがある」と期待は大きい。中森も「筋肉量、柔軟性が高まったら数字は上がっていくと思う。今は数字より、フォームや身体作りを大切にしています」と下地作りに励む。

秋季近畿大会は準々決勝で大阪桐蔭に3-4で惜敗して8強止まりも、今春のセンバツ出場が濃厚。蓄えの冬を乗り越え、17歳が成長を続ける。【望月千草】