第92回全国選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に出場する仙台育英(宮城)が9日、静岡・沼津合宿3日目を行い、プロの教えも注入した。

昨年までプロ野球日本ハムのトレーナーを務め、野球コンサルタントとして活動する和田照茂氏(38)を臨時コーチに招聘(しょうへい)。小中高、大学、社会人、プロも教えてきた経験をもとに、午前は打撃と走塁、午後は守備を中心に細部まで指導を受けた。

50メートル6秒1で俊足も武器な田中祥都主将(2年)は「基礎から分かりやすく教えていただいた。0秒1、10センチのこだわりでクロスプレーがセーフになると思う」。走者としてのリードの取り方、けん制時の帰塁。ベースを蹴る足は小股じゃなく大股で合わせることなどを徹底して、より最短距離で速度を落とさずに進塁する術。その都度、説明を加えながら伝授された。

打撃面では昨夏の甲子園8強メンバー宮本拓実外野手(2年)の意識が変わった。かかと体重で内角をスイングしていたことを指摘され「投手のほうに力の向きを徹底することの大事さが分かった」。ロングティーを入念に行って打撃フォームを改善した。

守備では走者を置いてのノックで、より実戦的な場面を反復。カットプレーや挟殺など、時間をかけて確認した。同合宿は明日11日まで。センバツ選手選考も兼ねる数多くの紅白戦で、まずは成果を試す。【鎌田直秀】