21世紀枠で第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に出場する磐城(福島)が15日、茨城県内で2試合(ともに7イニング制)の紅白戦を行い、センバツ出場決定後初の実戦形式で試合勘を養った。50メートルを6秒2で走る草野凌内野手(2年)が、2戦計9打席で4安打3四球。7出塁で2盗塁も絡めて5得点を挙げる大活躍で、希望する1番起用へ猛アピールした。

草野は1番に入った第2試合の3回裏、小川泰生内野手(2年)が投じた3球目を捉えて中前打。すかさず二盗を決め、3番樋口将平外野手(2年)の適時左前打の間に、チーム1、2位を争う快足を飛ばして一気に生還した。「1ヒットで積極的に次の塁に進むことは、常に意識している」と、持ち味を生かした走塁が光った。6回には中越え二塁打。昨秋の東北大会では3番中軸も任された長打力を発揮した。木村保監督(49)は「草野は伸びていると感じた。足が点につながっている」と目を細めた。

それでも指揮官には苦渋の選択が待っている。現部員数は19人。昨秋の東北大会は20人まで登録可能で全員がベンチ入りできたが、甲子園のベンチ入りは18人まで。1人が選に漏れる厳しい現実に、木村監督は「私もそれが一番の悩み。しっかり決めて選手たちに伝えます」と今月末には、メンバー決定の意向を示唆した。【佐藤究】