日本高野連は4日、第92回選抜高校野球大会(19日開幕、甲子園)について、史上初の無観客で開催準備を進めることを決めた。主催者の日本高野連と毎日新聞社は大阪市内で運営委員会と臨時理事会を開き、出場32校に無観客での実施に向けての準備を要請することを決めた。だが、新型コロナウイルスの感染状況によっては中止することも明言した。開催の可否は11日の臨時運営委員会で結論を出す予定だが、予断を許さない状況だ。

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福島県の公立校入試で完全オフだった磐城は、審議結果を受け木村保監督(49)がコメントを発表した。「選手たちと同じ気持ちで待っていた。こういう情勢だから仕方ないが、不安でいっぱいだった。どういう結果でも、子どもたちにどんな言葉で伝えようか、1日そのことばかり考えていた」と最悪の事態も想定した、苦しい胸の内を明かした。前日3日の練習では不安を隠せない選手たちに「我々はできると信じて、できることを準備するだけ。与えられた環境の中でやっていこう」と伝えていた。

決定が持ち越されたため今後の日程も流動的。5日からの関東遠征も中止となり、11日に甲子園に向け出発予定だったが、関西で予定した練習試合6試合もなくなった。木村監督は「ギリギリまでいわきで調整し、直前で甲子園入りすることになると思う」とした。

センバツは46年ぶり3度目、甲子園は95年夏以来とあって地元は盛り上がっていた。OBでもある阿部武彦校長(60)は「(応援バス)30台くらいは確実に借りる予定だったが、キャンセルする方向だと思う」と無観客試合への対応に触れた。結論は先送りとなったが「無観客の流れは示されたので、ホッとしている。子どもたちの夢がついえなくて良かった。高野連の結果を注視しながら今後の動きを考えていきたい」と今後の対応を口にした。