第92回選抜高校野球(19日開幕、甲子園)の開催可否を決める臨時運営委員会が、11日に大阪市内で行われ、センバツ史上初の中止が決定した。

中止は過去、1918年(大7)夏の大会が米騒動のため、1941年(昭16)戦争悪化のためと2度ある。42年から45年は戦争のため春夏とも中断した。センバツは今回が初めて。

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以下は出場予定だった32校。

【21世紀枠=3校】

◆帯広農(北海道=初)

▽帯広農・前田康晴監督「選手たちに甲子園の土を踏ませたかったが、このような状況なので主催者、高野連の決定を支持するだけ。ただ、選考委員の方に選んでいただいての出場だっただけに、帯広農の野球を選考委員の方に見ていただきたかった」

◆磐城(福島=46年ぶり3度目)

▽磐城・木村保監督「残念ですけど、最後の最後まで選手の夢の実現のために尽くしてくれたことに感謝したい。3・11で普段の生活が当たり前じゃないと思い知らされた。もう1度そこに戻って。選ばれたことは間違いない。それを誇りに思って、さらに強くなって、たくましくなっていってほしい」

◆平田(島根=初)

▽平田・植田悟監督(48)「初めての出場ということで、生徒たちも甲子園で野球ができることを期待していたけどそれがかなわず残念。ただ、こういう状況で生徒の安全を考えてという意味では、致し方ないこと。生徒たちには『こういうことも受け止めていくのが人生』という風に伝えました」

【北海道=1校】

◆白樺学園(初)

▽白樺学園・戸出監督「他のスポーツ大会が一斉に中止になる中、開催準備に尽力してくださった高野連の方々には、感謝している。ただ、選手にとっては一生に一度かもしれない甲子園。十勝や北海道を盛り上げる夢が消えた。残念、無念の気持ちが強い」

【東北=2校】

◆仙台育英(宮城=3年ぶり13度目)

▽仙台育英・須江航監督「3月11日は、東北、宮城県人としては穏やかに過ごしたい日だった。どこの学校よりも熱量を持って競争してきたし、この状況になっても集中して練習してくれたことは立派。夏は絶対にこの子たちを甲子園に連れていきたい」

◆鶴岡東(山形=41年ぶり2度目)

▽鶴見東・佐藤俊監督「日本高野連の決定を受けて、選手とともに次の目標に向かって頑張るだけ。これからどう声をかけるかはしっかり考えたい。選手の夢や目標に向けて、背中を押せる存在になりたい」

【関東・東京=6校】

◆高崎健康福祉大高崎(群馬=3年ぶり4度目)

▽高崎健康福祉大高崎・青柳博文監督「選手たちはストレスも抱えている。その気持ちに耳を傾けながら、夏の甲子園を目指そうと思います」

◆山梨学院(山梨=2年連続4度目)

▽山梨学院・吉田洸二監督「発表がある前から社会情勢を考えると(開催は)厳しいかなという思いはあった。でも、頭では分かっていても、選手の気持ちを考えるとたまらない。つらいですね」

▽山梨学院・功刀(くぬぎ)史也主将 「新チームが始まって、まずはセンバツを目標にやってきたので、本当に残念。もうセンバツがなくなってしまったので、夏しかない。死に物狂いで絶対に甲子園に行けるように練習をやっていきたい」

▽山梨学院・栗田勇雅捕手(2年) 「(5季連続出場が断たれ)自分たちの代でつかんだ甲子園はまた違う気持ちになると思っていた。悔しいです。仕方ないことだが、甲子園でプレーしたかった気持ちでいっぱい。気持ちを切り替えて最後の夏に向けてやっていきたい」

◆東海大相模(神奈川=2年ぶり11度目)

▽東海大相模・山村崇嘉主将「選抜大会に向けて練習してきたので残念です。しかし、まだ僕たちには夏の甲子園もあるので次に向かってチーム一丸で努力していきたいと思います」

◆桐生第一(群馬=4年ぶり6度目)

▽桐生第一・佐藤秀太郎部長「まずはギリギリまで開催に向けて尽力してくれた方々に感謝しかない。日本中が大変な状況の中で普通に野球ができていることは幸せなのかもしれない」

◆花咲徳栄(埼玉=4年ぶり5度目)

▽花咲徳栄・岩井隆監督「甲子園や高校野球だけがすべてではない。いろいろな思いが入り交じって複雑な心境。早く今まで通りできるようになりたい。それがなかったら夏もない」

◆国士舘(東京=2年連続10度目)

▽国士舘・永田昌弘監督「現在の社会状況を鑑みた高野連の決定ですので粛々と受け止めます。監督の立場で申し上げるとするならば、選手を甲子園という全国の舞台で戦わせてあげられず残念というのが正直なところです。選手にとっては何ものにも代え難い大会ではあります。しかし、夏の甲子園出場を目標に切り替えていくしかありません」

【東海=3校】

◆中京大中京(愛知=10年ぶり31度目)

▽中京大中京・高橋源一郎監督「1週間、改善策を実行していただいた結果が中止と言うことなので、しっかり受け止めています」

◆県岐阜商(岐阜=5年ぶり29度目)

▽県岐阜商・鍛治舎巧監督(68)「申し上げたいことはいろいろありますが、丸山大会会長が会見で言った「痛恨の極み」という言葉を聞いたときに涙が出ました。やはり会長も同じ思い。その言葉を聞いて生徒たちのためにこれからまた頑張っていかないといけないなと思った。本当に重い言葉です」

◆加藤学園(静岡=初)

▽加藤学園・米山学監督(41)は「いろんなことを考えて、この結果になったと思う。生徒たちと受け止めていきたい」

【北信越=2校】

◆星稜(石川=3年連続14度目)

▽星稜・林和成監督(44)「大変残念ではありますが、最後まで議論を重ね、熟慮していただいた大会関係者の皆さまに感謝いたします。生徒たちはセンバツを楽しみにしていました。気持ちの整理には多少の時間が必要ですが、夏の大会に向けて生徒とともにまい進して参ります」

◆日本航空石川(石川=2年ぶり2度目)

▽日本航空石川・中村隆監督(35)「残念の一言。選手たちは相当落ち込んでいますので、まずはそこのケアっていうのを第一にしていきたい。少しでも早く前を向いていけるように努めて、夏に向けて頑張っていきたい」

【近畿=6校】

◆天理(奈良=5年ぶり24度目)

▽天理・笠井要一部長「こういう風に決定されましたので、それに従っていかないと。一番は生徒たちへの心のケア。ケアをしながら、これから頑張っていかないといけない」

◆大阪桐蔭(大阪=2年ぶり11度目)

▽大阪桐蔭・有友茂史部長「まだ全体での話し合いは行われていない。これから校長先生とも相談していく。生徒たちの安全を第一に考えていきたい」

◆履正社(大阪=2年連続9度目)

▽岡田龍生監督「残念だ。テレビや新聞で10日間の自粛延期やプロ野球開幕延期などを知り、この1週間は不安な気持ちで過ごしていたが、生徒たちは甲子園でプレーできることを信じて準備してきた。野球部の子供たちのことを考えたらかわいそうだが、同様に中止になった他競技の部員も同じ。これだけ感染者も増え、政府の方針もあり致し方ないのかなと思う」

◆智弁学園(奈良=2年ぶり13度目)

▽智弁学園・井元康勝部長「残念だけど仕方ない。健康のことを思って決断するしかない」

◆明石商(兵庫=2年連続3度目)

明石商・狭間善徳監督「世の中が、こういう厳しい状況ですので中止は致し方ありません。子供たちには、気持ちを切り替えて夏を目指すよう話をしていきます。1日でも早く感染拡大が終息することを願います」

◆智弁和歌山(和歌山=3年連続14度目)

▽智弁和歌山・中谷仁監督「非常に残念。選手も最悪中止と想定していた感じはありましたけど、目に涙を浮かべる子もいました。夏、取り返すチャンスがあるのを願います。今の智弁和歌山の選手は逆境に強くて前向きに取り組める子ばっかりなので、前を向いて一緒に頑張りたい」

【中国・四国=5校】

◆倉敷商(岡山=8年ぶり4度目)

◆鳥取城北(鳥取=8年ぶり2度目)

▽鳥取城北・山木博之監督(44)「今の状況の中で、開催に向けてここまで動いていただいたのはありがたいこと。中止は仕方のないことです。生徒たちには『どうしようもないことをいつまでも気にしても仕方ないので、前を向いていこう』と伝えていこうと思う」

◆広島新庄(広島=6年ぶり2度目)

▽広島新庄・迫田守昭監督(74)「生徒たちは中止になるかもしれないと思いつつも練習を頑張ってくれた。できないことに関してはマイナスですが、成長ができたという意味ではプラス。うちにとってはこの成長が財産です」

▽広島新庄・下志音主将(2年)「中止になり残念だが、自分たちが見据えているのは、自分たちの最後の夏。今まで練習してきた期間を有効に最後の夏につなげたい」

◆明徳義塾(高知=2年ぶり19度目)

▽明徳義塾・馬淵史郎監督「監督としては甲子園の土を踏ませてあげたかったが、こればかりは仕方がない。泣いた選手もいたが、人生はいろんなことがある。これも人生勉強だと思う。『四国大会を優勝してセンバツに選ばれたことは胸を張ろう』と選手には伝えた。切り替えてやるしかない」

◆尽誠学園(香川=18年ぶり7度目)

▽尽誠学園・西村太監督(40)「今後は生徒の気持ちのケアをしていかないといけない。まだ生徒たちと話していないので、1人1人の思いを確認する。もちろん切り替えてはいくんですが、急にはなかなかできないこと。生徒の思いをくみ取ってチームを組み立てていきます」

【九州=4校】

◆明豊(大分=2年連続4度目)

◆大分商(大分=23年ぶり6度目)

◆創成館(長崎=2年ぶり4度目)

▽創成館・下野研児部長「私としては(中止の)結果が出て残念だが到し方ない。(無観客でも)開催へのかすかな期待はあったので。生徒たちの気持ちが心配です。夏へ向けて、気持ちをすぐには切り替えられないと思う。切り替えて頑張ってほしいですが…」

◆鹿児島城西(鹿児島=初)

▽鹿児島城西・佐々木誠監督「高野連が決めたことなので従うだけ。仕方がない」