県高野連は5日、静岡市内で臨時理事会を開き、中止となった全国高校野球選手権静岡大会の代替大会として、「2020夏季静岡県高校野球大会」の開催を決定した。7月11日に開幕し、8月1日に草薙球場で決勝戦を行う(雨天順延)。組み合わせは、27日に代理抽選で決定する。県内の球児たちにとっては、待ちに待った朗報。強豪校からも喜びの声が上がった。

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昨夏の甲子園出場を果たした静岡高の選手たちは、県制覇を新たな目標に掲げた。この日は午後2時過ぎから練習を開始。ノックや打撃練習で調整した。目標の甲子園出場はかなわなかったが、県王者は決まる。主将の相羽寛太内野手(3年)は「最後の夏は優勝で終わりたい」と宣言した。

例年とは違う大会にも順応していく。代替大会は7イニングの短期決戦。栗林俊輔監督(47)も「早く適応したチームが勝つと思う」。現在はコンディションを戻す期間と位置付け、負荷がかかったメニューは避けている。来週以降に本格的な実戦練習を再開させる予定だ。相羽は、投手を打ち崩す攻撃力強化を大会を制するポイントに挙げ、「いい準備をしていきたい」と力を込めた。

ただ、タイトルだけが目的ではない。栗林監督は「上級生が下級生に何を伝えるかが大事」と強調する。大会に臨むまでの調整期間や雰囲気は、例年とは違う。甲子園出場が懸かっていない中での練習は、誰も経験したことがないが、名門校としての意地をかけて戦いに臨む。相羽は「1試合でも多く経験させてあげることが次につながる」と頂点だけを見つめた。【神谷亮磨】

◆東側と西側の分け方 県高野連ホームページ掲載の加盟校一覧表で、「55 城南静岡」までが東側。「56 焼津中央」以降が西側。熱海、金谷、浜松湖北佐久間分校の3校連合チームは、東側に入る。