高校野球の秋田代替大会は今日9日に開幕する。能代工は現校名で最後の夏。県議会本会議で7日、来春に能代西と統合されるのを受け、新校名を「能代科学技術」とする条例改正案が全会一致により可決された。創立108年の伝統を誇り、全国制覇58回の高校バスケットボールの強豪校としても有名な「能代工」の名前は本年度で消滅。39人の野球部員たちも4番エースの相原舞尋と田中駿主将の3年生バッテリーを中心に、創部104年目の夏に確かな足跡を残す決意だ。

室内練習場がなく、冬場はビニールハウスでひたすらバットを振り込んだ。統合前年による改修工事で6月下旬までグラウンドも使えず、場所を変えながら練習。3年生18人の引退の場になる代替大会に向けて、就任8年目の菊池和仁監督(48)は「最後までやり切ろう」と勇気づける。

右腕・相原舞が投打で引っ張る。最速は120キロ中盤だが、カーブ、スプリット、シュートなど多彩な変化球が持ち味。やはり投手の弟紫音(1年)も今春入学し、「もっと球威を高めて打たせて取りたい。チャンスで打点を挙げたい」と主砲の覚悟も示す。田中主将は「この仲間で人生で思い出に残る大会にしたい。秋につなげて後輩たちに来年の甲子園を託したい」と集大成の場にする。菊地監督は「いつもの夏同様、NO・1を目指したい」と力を込めた。【佐々木雄高】