球児たちの特別な夏が、幕を開けた。甲子園出場経験校対決は、静岡市立が2-1で常葉大橘を退けた。1点を追う6回に6番中島正治内野手(3年)が、逆転の2点二塁打。先発した望月大星投手(3年)の力投に応えた。名門・浜松商は、浜松市立に12-5で快勝し、初戦突破。熱海・金谷・佐久間の3校連合は、昨夏準優勝の駿河総合に0-13で5回コールド負け。走者を1人も出せず、完敗した。この日は、1回戦22試合中5試合が雨のため中止。12日に順延された。

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常葉大橘は無念の初戦敗退となった。好投していたエース脇水大翔(ひろと、3年)が、突如崩れた。

6回表2死走者なし。2者連続で四球を与え、続く打者に甘く入った直球を右中間へ運ばれ、逆転2点適時二塁打を浴びた。涙をこらえながら「失投です。背番号1をもらったのに、迷惑をかけてしまった」と話した。今後は大学進学を予定。「この悔しさを忘れず、周りに恩返しできる投手になりたい」と顔を上げた。