青森中央が13安打14得点の猛攻で、五所川原農林を7回コールドで下した。ヤクルト青木宣親外野手(38)に憧れる4番の横山寛内野手(3年)が、先制打を含む3安打3打点で打線をけん引。ヒットを量産し、「青森の青木」襲名を目標に、最後の大会で花を咲かせる。

打席に入ると、横山は重心を低く構えて相手投手に向き合う。「小3の時から、ずっとヤクルト青木さんのファンです。打撃フォームはかなり意識しています。ヒットを打つ姿が格好イイです」と目を輝かせる。青木の日米通算2000本安打の瞬間は、リアルタイムでテレビ観戦しており、今でも脳裏に焼きつく1シーンだ。

日米で活躍するヒットマンさながら、初回1死二、三塁の好機で、横山は外角直球を逆方向の左越えに先制2点適時二塁打を放ち、チームに勢いをつけた。3回には右翼フェンス直撃の三塁打。4回は中前打と、しっかり3方向に打ち分けて猛打賞をマーク。横山は「冬場は、毎日1000回以上の素振りをやってきた。スイングスピードが上がって、強い打球が飛ぶようになりました」と、冬場の鍛錬を見事、夏に生かしてみせた。

夏の甲子園はなくなったが、チームの最高成績を超えるベスト8以上を目標に掲げている。横山は「4番を打っているが、1発を狙うよりもヒットでつなぐタイプ。練習してきたことを信じて、打席に立ちます」と、幼いころから磨き上げた「青木打法」でチームを勝利に導く。【佐藤究】