近江にスーパー1年生が現れた。7回から緊急登板した山田陽翔(はると)投手が、3イニングを2安打無失点。打っても0-0の7回、左翼線へ決勝の適時二塁打。滋賀の夏3連覇を目指す初戦、昨夏決勝の再現となった光泉カトリックとの好カードで快勝発進を導いた。

出番は突然だった。6回まで無失点投球のエース田中航大投手(3年)の右ふくらはぎがつった。急きょ指名された山田は「抑えてやろうという強い気持ち。ワクワクの方が強かった」と強心臓で7回を3人で料理。その裏の攻撃で自らたたき出した虎の子の1点を守り切った。

大会前の練習試合で最速144キロをマーク。中学時代から実力は知られ、今年1月のTBS系テレビ番組「炎の体育会TV」ではスーパー中学生として出演。元阪神亀山努氏(51)に右前打されたが、巨人元木大介ヘッドコーチ(48)は一飛に斬った武勇伝を持つ。

視察に訪れていたオリックス下山スカウトは「父の斉(ひとし)さんとは大学(立命大)の同期。お父さんは打撃も肩もよかったけど」とびっくり。DNAを受け継ぐ球友の息子に熱視線を送った。【石橋隆雄】

◆山田陽翔(やまだ・はると)2004年(平16)5月9日生まれ、滋賀・栗東市出身。治田西小1年から治田西スポーツ少年団で軟式野球を始める。栗東西中では硬式の大津瀬田ボーイズでプレー。173センチ、74キロ。右投げ右打ち。兄の優太さんは大阪桐蔭からこの春、日体大へ進学し野球を続けている。