昨夏全国王者の履正社と四條畷の3回戦は、試合序盤から降り始めた雨が強まり、3回裏降雨ノーゲームで仕切り直しとなった。

父の前での先制打は、幻となった。初回、今秋ドラフト候補の関本勇輔捕手(3年)の右前適時打で1点を先制。22日の初戦は10安打14得点の圧勝発進も、関本は無安打1犠飛。4番のバットは沈黙した。学生野球の指導資格を回復している父の元阪神関本賢太郎氏(41)と話し合い、得たヒントは姿勢。「背中が丸くならないように意識しました。目線が下に行ってしまうので」と悪癖を見直し、この日は外角高めを引きつけて助言通りの一打。父が見守る中、主軸の仕事をした。

この日は5球団が視察。19日の練習試合に続いて訪れた阪神和田テクニカルアドバイザーは「ゾーンにきた球を打ち損じないで1球で仕留める。バットコントロールの良さ」と技術面に着目。OBジュニアの素質を改めて高評価した。

関本は「もう1回やらせてもらえるので準備していきたい。1戦1戦圧倒的に勝つと決めている」。大阪2連覇へ、4番の今大会初安打で大きなエンジンがかかってきた。【望月千草】

○…190センチ右腕の内星龍(せいりゅう=3年)が先発し、3回1安打4奪三振無失点だった。3回、自身の悪送球などで無死満塁を招いたが、落差のある変化球も駆使し3者凡退で切り抜けた。この日の最速は143キロ。阪神和田テクニカルアドバイザーは「ミスした後でも動揺せず気持ちを戻して落ち着いていた。そういうのが、できるできない(の差)は大きい」とマウンドさばきを評価した。