夏の県大会では5年ぶりに実現した伝統の一戦は、静岡商が3-2で静岡高を振り切り、5年ぶりに4強入りした。エース高田琢登(3年)が、相手打線に7安打を浴びるも、要所を締めて完投した。静高は、先発の松本蓮投手(3年)が2回以降を無失点に抑える力投を見せたが、あと1歩届かなかった。聖隷クリストファーは、延長戦の末に常葉大菊川を2-1で退け、2012年(平24)以来、8年ぶりのベスト4進出を決めた。

     ◇     ◇     ◇

静岡の松本蓮は立ち上がりの投球を悔やんだ。「初回が全てでした」。先頭打者本塁打を許すと、2四球とエラーも絡み3失点。本塁打を許した1球は「カーブが真ん中に入ってしまった」と振り返る失投だった。2回以降は修正し、5者連続三振を含む計8奪三振。静岡商の高田よりも少ない4安打に抑えたが、勝てなかった。試合後は人目をはばからずに涙を流し「無駄な失点があると、いい投手がいるチームには勝てないことを実感しました」とうつむいた。

昨年は県制覇を成し遂げた。今夏は甲子園大会が中止になったが、「県で優勝することをモチベーションにやってきました」と気持ちを奮い立たせた。静高で最後の夏は、県8強止まり。今後は大学進学を目指す。「そこで活躍したいです」。主将の相羽寛太内野手(3年)も将来のプロ入りを見据え、「この悔しさを次につなげていきたいです」と顔を上げた。【神谷亮磨】