スタンドには巨人、ロッテ、中日、ソフトバンク、日本ハム、ヤクルト、DeNA横浜、オリックスと、8球団のスコアラーが集まり、注目右腕・飯山の常田唯斗投手(3年)のピッチングを見守った。序盤はストレート主体のピッチングも徐々に変化球の比率が高くなった。

中盤以降は変化球を狙われ、ストレートに切り替えるも、そのストレートもヒットゾーンに打ち返される場面が目についた。吉池拓弥監督(29)は「変化球を狙われても、すぐにストレートに切り替えたり、そういう修正能力はこの試合で見れました」と、満足した様子。

飯山は塚田佳内野手(3年)の3打点などで7点を奪ったが、7回以降は岡谷南打線が8安打を集めて4点を奪う猛攻にあい、緊迫した展開が続いた。

打たれながらも常田は最後まで冷静にマウンドを務め、毎回の16奪三振で熱闘に終止符を打った。球場のスピードガン表示では9回に145キロをマーク。巨人スカウトのスピードガンでは146キロを計測していた。164球での完投勝利に、常田は疲れた表情を浮かべたが、すぐに気持ちは次戦準決勝(8日)上田西戦にむいた。常田は「よく練習試合をしており、僕のスライダーがどういう角度で落ちるかも知っている。しっかりコースをついていきたい」と、具体的なポイントに触れながら、上田西打線をイメージしていた。

 

▽巨人榑松伸介スカウト部次長 常田君は腕の振りがコンパクトでとても柔らかい。うちのスピードガンでは最速は146キロでした。145キロは何球も出ていましたね。今日はストレートが高めに抜けていましたが、その分、変化球を上手に使っていたと思います。