昨秋の東北準Vで甲子園交流試合にも出場する鶴岡東(山形)が、4-1で初戦を突破した。青森山田ドラフト候補の最速150キロ右腕・小牟田龍宝(3年)から2本塁打を放つなど、強力打線が力を発揮。10日の準決勝では聖光学院(福島)と対戦する。

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青森山田・小牟田の夏が終わった。キレ味鋭い直球や、縦気味に変化するスライダーなどで毎回の14奪三振。「高校生活で一番良い投球が出来たと思う。結果は悔しいけれど、最後にふさわしく全員で楽しく笑顔でプレー出来た」。雨の中でも動じない精神的な強さも披露した。

さらなる飛躍への課題は本人も自覚している。「やっぱり四死球を少なくすること。カウントを崩して打たれる場面も多いし、細かいコントロールが、まだまだ足りない」。6回表に先制打を喫した場面も相手4番に不用意に投じた初球を左前に。7回は9番打者に死球後、次打者の初球の直球を右翼席に運ばれた。9回も代打に初球のチェンジアップが抜けて真ん中に入り被弾。プロ6球団のスカウトが視察する前で、短所と長所を再認識した126球4失点完投だった。

打撃陣も、小牟田が中前安打でつないだ1回1死一、二塁の好機に中軸が飛球アウト2つで凡退。3回には1死二塁で小牟田が三ゴロ。「力んでしまった。チームとしても1本が出なかった」。相手を上回る9安打を放っても1点しか奪えなかった責任も痛感した。

進路に関しては「プロ志望届を提出します」と強い意志に変わりはない。最速150キロの直球とスライダーを含めた変化球は、高校球界トップ級の評価も得ている。今秋ドラフトまでの成長も誓い、昨年の同校エースで巨人ドラフト1位指名された堀田賢慎投手の背中を追う。【鎌田直秀】