昨秋近畿王者の天理(奈良)が登場した。広島新庄に惜敗したが、9回に来秋ドラフト候補の193センチ右腕・達(たつ)孝太投手(2年)が登板し、甲子園デビューを果たした。新型コロナウイルス感染者が出たため、出場32校の中でただ1校、独自大会出場を辞退した県岐阜商は実戦感覚が戻らない中、懸命にプレーした。

 

193センチの長身右腕・達が9回に2番手として登板し、2奪三振を含む3人斬りで甲子園デビューを果たした。テンポよく右飛、見逃し三振に仕留め、最後はサインに首を振り「一番自信がある変化球で」とスライダーで空振りさせた。

奈良の独自大会は3年生だけで戦い、この日が今年初の公式戦だった。登板前、先発した3年生エース庭野から「楽しめ。1イニングしかないから、150キロ出してこい」と送り出された。この日の最速は143キロで「練習では150キロ計測したこともあるんですけど、試合では今日が最速です。秋に比べ低めの球が伸びている」と手応え。昨秋の近畿大会決勝・大阪桐蔭戦で先発し、優勝の立役者となった時から大きく成長している。

メジャー好きでカブス・ダルビッシュ、ナショナルズ・シャーザーなど一流投手の動画を見て参考にする。最近ではエンゼルス大谷の体重移動を参考に。「甲子園は投げやすかった。自信になった。来年また2回(春、夏)ここに来て優勝したい」と手応えをつかんだ。来秋のドラフト候補が、しっかりと甲子園でその名前をアピールした。【石橋隆雄】

◆達孝太(たつ・こうた)2004年(平16)3月27日、大阪・堺市出身。浜寺昭和小4年で高石スワローズに所属し、捕手。浜寺南中では泉州阪堺ボーイズに所属し、投手。天理では1年夏からベンチ入り。変化球はカーブ、スライダー、フォーク。193センチ、83キロ。右投げ右打ち。