仙台育英(宮城)が0-8で聖光学院(福島)に完敗。倉敷商(岡山)と対戦する15日の甲子園交流試合を前に、課題を再認識させられた。

5回表の6失点が大きかった。制球力チームNO・1の阿部恋投手(3年)が先頭打者に死球を出すと、次打者にも3ボール。甘く入ると予想した相手のエンドランで右前打を許し無死一、三塁の危機。須江航監督(37)は「インコースに投げる必要がないのに、甘く入った。1球の選択ミスを許してくれないことを学んだ」。四死球や暴投でピンチを広げられ、適時打に泣いた。昨夏の甲子園準々決勝で星稜(石川)に大敗し、反省して徹底してきた1つ1つのプレー。1球の怖さの痛感を、繰り返してしまう格好となった。

打撃陣も1回に連打で好機をつくったが、3番佐々木涼外野手、4番入江大樹内野手(ともに3年)がコースいっぱいの球に反応出来ず、連続見逃し三振。同監督も「ギリギリのストライクゾーンに対応出来なかった。聖光学院さんは、そこに食らいつけた」。昨秋王者に向かってくる相手の気迫も感じた今大会。中2日での甲子園に向け、「鉄は熱いうちに打たないと。この3日間が大事。代表で出る意味、意義を考えながら、東北6県の球児の思いも背負って戦いたいとあらためて思った」。1敗を、大きな1勝に変える覚悟を示した。【鎌田直秀】