名門横浜がベスト8で姿を消した。3回までに6点を奪い楽勝ペースかと思われたが、相手の粘りの前に逆転を許した。

投打の歯車が微妙にズレ始めたのは、6回の守備から。マウンドにはこの回から、左腕の松本隆之介投手(3年)をリリーフした右腕の木下幹也投手(3年)が上がった。

いきなり先頭に左前打を許し、3番打者の投前犠打に木下が野選。続くバントは三塁で走者を刺したが、5番に内野安打され、1死満塁。ここで三浦学苑の上村海斗投手(2年)に2点適時打された。連投になった木下の真っすぐは明らかにキレがなかった。その後も2死二、三塁から8番、9番に連続適時打を浴びてしまう。

木下は立ち直るきっかけを失い、2死一、三塁から1番打者に同点適時打。6点差を一気に追いつかれた。7回の守備では、二盗を刺すべき捕手からの送球が悪送球に。さらに外野からの返球を一塁手が捕手に悪送球と、緻密な「横浜野球」に似つかわしくないダブルエラーも出て、勝ち越し点を許した。

村田浩明監督(33)は「新しい監督を迎えるにあたり、選手には複雑な難しい思いがあったはず。勝利に導いてあげられなかった監督の責任」と、「らしくない」3失策は触れず、「監督不在」がもたらした期間を、わびるように言った。