秋連覇を目指す藤枝明誠(中部5位)は、初回に4番川瀬譲二主将(2年)が左越えの先制3ランを放ち、西部王者の掛川西を破った。

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藤枝明誠の川瀬が、大きな1発を放った。1回1死一、二塁。掛川西のプロ注目左腕・沢山優介(2年)が投じた内角高めの直球を捉え、左翼ポール直撃の高校通算23号を放った。「打った瞬間に手応えがあった。23本中、最も価値のある本塁打になった」と自画自賛。初戦の緊張から硬くなり、立ち上がりに苦しんだ相手投手を攻略した。光岡孝監督(42)に「川瀬の1本は大きかったですね」と絶賛された。

前日19日の富士宮西との1回戦では、初回1死二、三塁の好機で三振に倒れるなど振るわなかった。試合後に帰校し、練習。その際に指揮官から「明日(20日)はお前が打たないと勝てない」と言われて奮起した。「打ってチームを勝たせるのが4番の仕事」。マシンやティーなどで苦手の左腕対策を重点的に行い、この日の試合に臨んだ。

秋連覇に向け、大きなヤマを越えた。準々決勝では、常葉大橘(中部2位)と対する。「よく“昨秋県王者”と言われるが、自分たちは3年生に何の力にもなれなかった。今年は挑戦者として、自分たちの力で良い結果を出したい」と拳を握った。今後も勝利を重ね、昨秋の東海大会で4強入りした先輩たちを超えてみせる。【河合萌彦】