藤枝明誠が、秋の県大会2連覇を果たした。3位決定戦では、加藤学園が三島南に快勝し、残り1枠の東海切符をつかんだ。東海大会は来月13日に抽選会が行われ、同24日に三重県で開幕する。

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加藤学園ナインに安堵(あんど)の笑みが広がった。5-2で迎えた最終9回2死。最後の打者を一ゴロに打ち取り、2年連続の東海切符をつかんだ。米山学監督(42)は「いつも以上の緊張感がある。苦しい試合になると思っていた」。負ければ終戦の重圧に耐え、来春センバツへの道をつなげた。

公式戦初先発の石山拓真投手(1年)が、起用に応えた。初回に3安打を浴びて先制を許したが、2回以降は「コース」から「低め」に意識を変えて修正。直球とスライダーを軸に要所を締めた。自己最多となる7回を投げ、7安打無四球1失点。背番号「1」の役割を果たした。

力投のエースを女房役が援護した。1-1の4回、雨宮快成捕手(2年)が右越えに高校通算7号ソロ。指揮官は「スコアが動きにくくなってきた時に、1本出してくれたのが大きかった」と振り返った。勝負の分かれ目での貴重な1発で流れを呼び込むと、チームは続く5回にも3点を追加し、試合を決めた。

東海大会まで残り約1カ月。雨宮は「もっと技術、精神的にもレベルアップして臨みたい」と試合直後の表情からは一転、引き締まった表情で話した。ナインが目指す場所は、まだ先にある。【前田和哉】