全国高校女子硬式野球選手権がコロナ禍で中止となり、代替大会となる女子高校硬式野球交流大会が今日16日、兵庫・丹波市内で開幕する。全国5校計7チームが出場し、強豪クラーク仙台(宮城)は1期生の3年生11人が主体のAチームと、下級生が主体となるBチームの2チームが出場する。同大会は3チームによる総当たりのリーグ戦(Aチームが所属)と4チームのトーナメント(Bチームが所属)に分かれて予選を行い、各上位2チームが決勝トーナメントに進出し、覇権を争う。

クラーク仙台の最速125キロのエース右腕・小野寺佳奈(3年)とAチームでバッテリーを組む高橋結央(ゆうな)捕手(3年)は、「最後の大会は絶対に優勝して終わりたい。佳奈と日本一のバッテリーになりたい」と意気込む。中学時代は外野手の高橋は、高校から本格的に捕手を始めた。最初は配球や捕球がうまくできず、サインを出しても小野寺佳に首を振られることもあった。当時を振り返り「意思疎通ができていなかったので、試合中のベンチや、試合後もスコアを参考にしながら話し合った」と分析を重ね続けた。配球やリード面は「投手から信頼されていて、誰と組んでも安定している」と、ヤクルト嶋基宏捕手(35)を参考にし、正捕手として2度の全国準Vに貢献した。

U-18女子日本代表の実績もある小野寺佳は女房役を「(高橋が出す)サインに首を振ることなく、ワンバウンドや大きく外れたボールを投げても絶対に止めてくれる捕手は結央しかいない」と厚い信頼を寄せる。高橋は「佳奈のボールを受けられることは自分にとって誇り。クラークに来て良かったと思います」。高校最後の公式戦で、悲願の優勝に輝いてみせる。【相沢孔志】