秋季高校野球北信越大会は今日17日、富山市民球場の準決勝で再開する。勝てば、北信越2枠の来春センバツ出場をほぼ確定する。大一番を翌日に控えた16日、関根学園(新潟3位)は同球場で公式練習に臨んだ。全員が初体験の人工芝球場だったが、4番打者の尾身颯太一塁手(2年)は軽快な動きで好調ぶりをアピール。敦賀気比(福井1位)との一戦へ、好感触を得ていた。午後は練習会場を県営富山、滑川市内の高校に移して打撃練習に取り組んだ。

大勝負が翌日に迫っても、尾身に硬さはなかった。最終調整の中でも時折、笑みを浮かべ、白い歯も見せた。富山市民球場の公式練習では、人工芝の打球の感触を確認。「ピッと飛んでくる」と表現した。県営富山球場では約1時間のケース打撃。さらに滑川市内の高校施設でも打撃練習に取り組んだ。「もう、楽しみしかない。早く試合をしたい、という感じです」。明るく言い放った言葉に、強豪・敦賀気比戦への気負いはなかった。

勝負強さが真骨頂の4番打者だ。安川巧塁(よしたか)監督(28)は「明るいムードメーカー。みんなが認める4番打者」と評す。11日の準々決勝の佐久長聖戦(長野1位、7-5)では5打数4安打で大当たり。5-5で迎えた8回無死満塁の場面では右前打で勝ち越し点をたたき出した。「1、2番がチャンスを作ってくれるので、それに応えたい」。敦賀気比戦への意気込みを話した尾身は「自分のいいところは、チャンスに打てること」と確信を込めて言った。

群馬県高崎市出身。「この学校で甲子園に行きたい」と関根学園に入学した。今夏の県高校夏季野球大会3回戦で新潟産大付と延長11回、9-8のサヨナラ勝ちという激闘を演じて自信をつけた。「野球をやってきて一番、緊張した試合。それからは緊張はしない」と、センバツのかかる北信越の大一番にも自然体だ。「準々決勝以後の打撃練習でも、バットの芯に当てているので、いけると思う」。あと1勝すれば、尾身の目標に大きく近づく。【涌井幹雄】