来春センバツ出場が懸かる第73回秋季高校野球東海大会が、24日に三重県で開幕する。秋の静岡連覇を果たした藤枝明誠は、25日の2回戦で、松阪商(三重2位)-岐阜第一(岐阜3位)の勝者と初戦を迎える。県大会で打率5割超、チームトップの7打点を稼いだ5番西岡泰真外野手(2年)が、チームを勝利に導く。

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藤枝明誠の西岡は、県大会5試合で19打数11安打(5割7分9厘)と大暴れ。常葉大菊川との決勝戦では3安打4打点と活躍し、優勝に大きく貢献した。急成長のスラッガーは「気持ちを強く持つことで結果が出た。けれど、これで過信しないようにしたい」と気を引き締めた。

地区大会は不振だった。それでも、富士宮西との県1回戦後に復調のきっかけを得た。帰りのバス車内で行われたミーティングで弱気な発言をし、光岡孝監督(42)から一喝された。これで目を覚まし、自主トレに励むようになった。意識も改めて「監督から『気迫を見せろ』と言われ、気持ちで攻める意識に変えました」。すると2回戦の掛川西戦で4安打し、一気に覚醒した。

長野県との県境に位置する浜松市天竜区の水窪(みさくぼ)町出身。幼いころから、近所の山で坂道ダッシュを行っていた。その影響で下半身が強化され、打撃フォームに安定感が備わった。中学時代から打撃の調子に波があったが、高校入学後は確実性が増して、今秋にレギュラーの座をつかんだ。

前チームは昨秋の東海4強入りも、準決勝で中京大中京(愛知)にコールド負けを喫し、センバツ代表校に選出されなかった。「今年こそ」の思いがチーム内にある中、西岡は「まずは自分の役割に集中。気持ちで向かう姿勢を出して、決勝で中京にリベンジしたい」と、言葉に力を込めた。【河合萌彦】

◆西岡泰真(にしおか・たいしん)2004年(平16)3月1日、浜松市天竜区水窪町生まれ。小1から水窪少年野球クラブで野球を始め、水窪中時代は浜松インフィニティヤングに所属。藤枝明誠高では今秋からメンバー入り。右投げ左打ち。165センチ、65キロ。血液型O。家族は両親と祖母、弟3人。