福岡大大濠は、春夏4度優勝の東海大相模(神奈川)に0-8で完敗し、過去最高の8強超えはならなかった。馬場拓海投手(2年)が先発も2回途中4失点降板。緊急救援のドラフト候補のエース左腕・毛利海大投手(3年)も流れを変えられず、打線も3安打14三振で完封負け。だが、甲子園2勝を財産に、課題克服で夏にリベンジする。明豊(大分)は近畿大会王者の智弁学園(奈良)に競り勝ち19年の4強に並んだ。

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完敗で福岡大大濠の過去最高となる準決勝進出は逃したが、エース毛利が全国屈指の強豪相手に執念を見せた。

毛利は、2回途中に先発馬場から緊急スイッチした。ここまで2戦計278球を投げており疲労の影響か、スピード、キレともに万全ではなかった。それでも、後輩から「すいません」と救援を託され「投げて大濠に流れを持って来ようとマウンドに立った」と意気込んだ。

だが、毛利も交代直後から3連打を浴びるなど4失点で流れを変えられず。2回途中からで120球も要し「(東海大相模には)真っすぐが通用しないと思った」と強打に驚かされた。

それでも収穫はあった。4回以降「少しでも高めに甘い球が行ったら持っていかれるので低めを意識して投げた」と立ち直った。その中で「変化球を低めに集めたら打ち取れた。ツーシーム、スライダーでカウントを取りチェンジアップで三振も取れた。そこは甲子園に来て一番よかったと思う」と手応えも得た。

2勝して「夢舞台でできて素晴らしい所だとあらためて思った」という聖地・甲子園。「東海大相模さんに持ち味の真っすぐをはじき返された。真っすぐの力、スピード、キレを上げてまた夏戻ってきたい」とリベンジを誓った。

八木啓伸監督(43)は「(相手先発の)石田投手レベルを打てないと。打撃はあらためて強化しないといけないと思った」と課題を挙げた。ベスト8の壁に阻まれ「まだ力不足。もっと夏へ向けてしっかり練習したい」と切り替えた。全国レベルで得た教訓を糧に、再起を期す。【菊川光一】

▽福岡大大濠・川上陸斗捕手(完敗を振り返って) 一番は悔しいです。初回の入りの守備で2点を取られてしまって、自分のリードがダメだったと思います。

▽福岡大大濠・馬場(2回途中4失点降板に) 先発して、後ろに毛利さんがいるので全力で投げようと思いました。(ベンチでは)毛利さんが0点に抑えてくれると願っていました。