関根学園は新潟明訓に4-2で勝ち、18年春以来の決勝進出を決めた。エース牧野水樹投手(3年)が9回を3安打、2失点に抑え、完投した。

新潟産大付は新潟に6-2で勝ち、19年秋以来の決勝進出。1回1死一、二塁で、2試合当たりが止まっていた4番鈴木健太郎左翼手(3年)が先制の中前適時打を放ち、チームを勢いに乗せた。決勝は13日に長岡市悠久山野球場で開かれる。

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関根学園はエース牧野が本来の力を発揮した。先発し、8回まで被安打2、無失点に抑える快投。最終9回こそ力んでしまい、三塁打を許すなど2点を失った。だが仕上げは直球勝負。最後の打者を三ゴロで打ち取り、ホッとした表情を見せた。

打線の援護も力強かった。4番尾身颯太(3年)を中心に「牧野のためにやろう」と打線が着実に得点。4回に先制すると、6回に2点で中押し。7回には尾身が二塁打で4点目をだめ押し点をたたき出す。尾身からイニングごとに「ナイスピッチング!」と声をかけてもらい、気持ちも高まっていった。

早期降板が続いた。4回戦の日本文理戦は3回途中4失点、準々決勝の北越戦では5回途中10点を失い、先発マウンドを守りきれなかった。「チームに迷惑をかけてしまった」。安川巧塁監督(29)とフォームを見直した。大会前に試行錯誤し修正した投球が裏目に出ていた。「思い切って元に戻そう」と安川監督と話し合い、打たせて取る投球に戻し、立ち直った。

奪三振は3も、粘った134球。エースの意地を見せた牧野は「勝ちきれたことが大きな収穫」と自信も戻った。決勝の相手は新潟産大付。「打線に勢いがあり、強敵だと思う。守りでリズム作って攻撃につなぎたい」と“粘投”を誓った。【飯嶋聡美】

○…新潟明訓は0-4から最終回に反撃し、2得点も及ばなかった。56歳の誕生日を勝利で迎えられなかった島田修監督は「勢いあるチームを止められなかった。圧力に押された。内容的には完敗」と話した。もっとも、4強入りですでに決めている北信越大会には期待した。「コロナ禍で県外遠征できない。県大会の反省を生かして挑戦したい」と県外勢との対戦を心待ちにしていた。