新潟産大付が関根学園に3-2で競り勝ち、県大会で初の頂点に立った。エース西村駿杜(しゅんと=3年)が4安打2失点、10奪三振で完投。2試合連続サヨナラ勝ちなど今大会快進撃を続けていた関根学園を止めた。県内開催の北信越大会には県勢4校が出場し、6月5日に開幕する。

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勝利の瞬間、西村は大きくジャンプしながら、人さし指を突き上げた。「1番を取れたことがうれしかった」と安堵(あんど)した表情のエースは「指のかかりが良く、直球も変化球もコースに決まり、今大会一番のピッチングだった」と言った。言葉通りの安定した制球。先発6回まで許した安打は初回の1本だけ。MAX140キロの速球も切れた。2回の3連続を含む、8三振を奪い、試合の主導権を握った。

しかし3-0で迎えた7回、関根学園の反撃に遭う。先頭打者に四球を与えると3安打を集中されて2点を失う。さらに1死一、二塁とピンチは続くが、次打者を遊ゴロ併殺に仕留め、1点のリードを死守した。この試合、最大の危機を乗り越えると西村は終盤2回で三振を2つ重ね、奪三振は2けた10に達した。

吉野公浩監督(54)は「関根学園の快進撃は昨夏の独自大会から始まっていると思う」と話す。3回戦で関根学園と対戦。終始リードも延長戦に持ち込まれ、タイブレークの延長11回。表に3得点も、その裏に4点を奪われて8-9でサヨナラ負けした。「私たちが関根学園の勢いを止めなければいけないと思って臨んだ。西村を温存して負けたら悔いが残るので最初から最後までエースで行こうと決めていた」。

好リードの村山廉太郎捕手(3年)はバットでも西村を支えた。2回、先制の適時打で援護。「ここで自分が何としてでも1本打って西村を楽にしてやりたかった」。7回のピンチでは「いい球、いってるから気にせずに投げろ」と励まし続けた。

初めて県の頂点に立ったが、目指すは夏甲子園。西村は「1試合1試合戦ってきた結果が優勝だと思う。北信越大会でも1戦ずつ大切に戦い、いい流れで夏大会に入りたい」と夏への通過点と自らに言い聞かせていた。【飯嶋聡美】