今秋ドラフト候補で高校通算35本塁打の智弁学園(奈良)前川右京外野手(3年)が決勝で4打数3安打1打点と奮闘した。

準決勝までの1番ではなく、自身初の5番で先発。試合前に小坂将商監督(43)から「チームを助けるようなバッティングをしろ」とハッパを掛けられ、得点機で打席が巡ってきた6回は2死一、二塁から甘い球を見逃さず左前へ一時勝ち越しの適時打を運んで、期待に応えた。2回は中前打、9回も右前打とともに得点圏に走者を進め、3方向に打ち分けた。

チームは敗れたが、8球団13人のスカウトの前で勝負強い打撃を示したスラッガーは「チームを勢いづける一打を打つことができたことと、むやみに振らずに冷静に甘い球を打つことができたのが収穫でした」と胸を張った。

大阪桐蔭とは昨秋の近畿大会決勝、今春のセンバツ1回戦で対決し、ともに接戦を制していた。現チーム3度目の対決で雪辱を許し、前川は「今回負けたのは悔しい。でも力の差は感じなかった。下を向くことなくチームでもう1度、一から気持ちを入れ直して頑張りたい」と夏への成長を誓った。【三宅ひとみ】

大阪桐蔭―智弁学園 近畿大会決勝詳細はこちら―>