全国のトップを切って、第103回全国高校野球選手権神奈川大会(7月10日開幕)の組み合わせ抽選会が5日、横浜市内で行われた。昨夏は新型コロナウイルスにより選手権大会は中止。県独自大会しか行えなかった。2年ぶりに夏の甲子園切符をかけた戦いが始まる。昨夏決勝で絶対王者・東海大相模に敗れた相洋は、新チームとなってから劇的勝利が続く。「逆転の相洋」が、176チームが参加する屈指の激戦区に挑む。

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相洋・二宮巧磨主将(3年)は「ワクワクしました」と、抽選結果を振り返った。順当に勝ち上がれば、早くも準々決勝で東海大相模と対戦となることを歓迎した。19年夏の準々決勝は3点差負け、昨夏の独自大会決勝は4点差負けと、及ばなかった強敵に「借りを返したい」と、闘志をみなぎらせた。

チームの合言葉は「劣勢に強く、終盤に強く、粘り強く」。その言葉が示すように、劇的な戦いを繰り広げてきた。昨秋は2回戦、3回戦と2試合連続でサヨナラ勝ち。今春も、4回戦の湘南学院戦で最大7点差をひっくり返し、サヨナラ勝利を収めている。「気持ちだけは絶対に負けない。そういった思いが、チームの力としてついてきている」と、逆転勝利が多い要因を分析する。

今夏は、さらなる「大逆転」を狙う。6季連続5の東海大相模を「勝つための基準」と定め、レベルの高い投手陣を打ち崩すための練習を続けている。二宮は「相模と戦うまでは絶対に負けないんだという強い気持ちを持って、チーム全体でレベルアップしていく」と誓った。開幕まで残り1カ月あまり。悲願達成へ、全力を注ぐ。【勝部晃多】