新潟県勢対決は新潟明訓(県3位)が7-2で県大会優勝の新潟産大付を撃破した。8番・小黒拓巳三塁手(2年)が2回に先制打を放つなど3打数3安打1打点でチームに勢いをつけた。春は07年以来14年ぶり4度目の決勝進出となった。

敦賀気比(福井)は9回裏に3点を奪い、松商学園(長野)にサヨナラ勝ち。8日の決勝で新潟明訓は14年春の日本文理以来の県勢の北信越制覇を懸け、敦賀気比と対戦する。

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狙い球をとらえた。2回裏1死二、三塁。8番打者の小黒は真ん中スライダーを左前に運び、先制点をたたき出した。「うれしい気持ちが一番」。これで勢いづいた打線はこの回3点を追加。春県王者に4点差をつけ、主導権を握った。小黒は攻めの手を緩めず3打数3安打、1四球。全4打席で出塁し2盗塁も決め、打線の勢いをさらに加速させる。チームは14安打7得点で快勝し、14年ぶり春の北信越決勝に駒を進めた。

どうしても打ちたかった。小黒の先制打の前には6番・反町謙介一塁手(2年)が送りバントを失敗していた。幼なじみで保育園から高校まで一緒に過ごす間柄。悔しさが伝わってきた。「仲間のミスはフォローしなければ勝てないと思った」。大事な場面で見せた友への強い気持ちが、チーム全体をも引っ張った。

島田修監督(56)は「下位打者だが上位につなぐ、いい働きをしてくれる選手」と評価する。春の県大会準決勝・関根学園戦。小黒は2-4と2点を追う9回表2死三塁で打席に立ったが三ゴロ。最後の打者になった。その悔しさから今大会に向けて、球の見極めを意識した打撃練習を繰り返した。北信越大会で結果を出せたことは成長の証しだ。

決勝の相手は敦賀気比。7年ぶりの県勢優勝がかかる。小黒は「決勝はより一層、気を引き締めて頑張りたい」と準決勝以上の活躍を誓った。【飯嶋聡美】