東北NO・1投手の呼び声はだてじゃない! 今秋ドラフト上位候補のノースアジア大明桜・風間球打投手(3年)が、大館桂桜戦に「5番投手」で先発。昨秋の県大会初戦で敗れた相手に7回5安打無失点、14奪三振の好投。自己最速タイの153キロを2度マークするなど、圧巻の毎回奪三振ショーを演じた。

秋田中央は9-8で大館鳳鳴に競り勝ち、準優勝した09年以来12年ぶりの決勝進出を決めた。

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明桜の風間がマウンドで仁王立ちした。昨秋の県大会1回戦で延長13回タイブレークで敗れた「宿敵」を圧倒。「チームとしてもリベンジする気持ちで試合に臨んだ。思い切り投げた結果です」。7回5安打無失点。124球の熱投で毎回の14奪三振。2回以降は二塁すら踏ませない。エースとして堂々の投球だった。

立ち上がりからエンジン全開だった。先頭打者への初球。いきなり151キロをマーク。三塁側で応援する保護者、控え部員が思わず「お~」と、どよめいた。最後は149キロで見逃し三振。次打者のカウント1-2からの4球目には自己最速タイの153キロを計測。この回、150キロ台は計5球(150キロ1球、151キロ2球、153キロ2球)。「初回からギアを入れて、飛ばす気持ちだった。三振も多く取れて、インコースもうまく使えた」と納得の表情を浮かべた。3~6回は、多彩な変化球を軸に組み立てた。150キロの「剛」だけではなく、「柔」も加味した投球だった。

中学時代から続けているルーティンがある。マウンドに上がる前。帽子に手をかけ、必ず一礼を行う。笛吹ボーイズ(山梨)時代に、父啓介さんと約束した“儀式”だった。「『謙虚な気持ちを忘れない』って父と約束してから(一礼)している」。最速153キロ右腕は、自分の実力に決しておごることはない。

春の県王者まで、あと1勝だ。決勝戦は8日、秋田中央と対戦する。「優勝の部分もある。チームを引っ張っていくような投球をしていく」。背番号1の自覚を胸に、チームに春Vをもたらす。【佐藤究】