新潟明訓は敦賀気比(福井)と激闘を演じるが5-6で敗れ、07年春以来2度目の優勝を逃した。

中盤以降、激しい点の取り合い。1-2の6回裏2死一、二塁。反町謙介一塁手(2年)が左越えへ公式戦初本塁打を放ち、逆転。4-4となった8回裏には4番加藤麗桜(れお=3年)の適時打で再びリードを奪う。1点を追う展開となった9回裏には2死二、三塁と一打サヨナラの好機をつくり粘ったが、あと一歩及ばなかった。敦賀気比は秋春連続の優勝。

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昨秋の北信越王者を追い詰めた。最後まで粘った。1点を追う9回裏。2死無走者から連打で二、三塁と一打サヨナラのチャンスを作る。3番大島稜介(2年)に打席を回すが遊ゴロに倒れ、頂点には届かなかった。それでも校歌を歌う優勝校を前に新潟明訓ナインは誰ひとり、下を向くことなかった。

1-2の6回裏だった。2死一、二塁で反町はフルカウントからの6球目を仕留めた。「絶対に食らいつこうと思った」。189センチ、91キロの2年生が放った打球は大きな弧を描いて左翼フェンスを越えた。公式戦初本塁打が逆転の3ラン。「チームが負けている中での逆転だったのでうれしかった。2死から打てたことが強みになった」と振り返った。

反撃の口火も反町が切った。0-2の5回裏。先頭で右中間二塁打を放ち、出塁。反撃開始のホームを踏んでいた。島田修監督(56)は「いつかはやってくれると思っていたが、それが今日だとは思わなかった」と6番に起用する反町の活躍を喜んだ。

4-2の8回表には敦賀気比に2点を許し、同点とされる。だが、その裏、4番加藤の適時打で再び勝ち越す。昨秋の北信越大会準々決勝でも対戦し、4-7で敗れた秋王者を相手に、激しい点の取り合いを演じて見せた。

春季北信越で初優勝した07年決勝の相手も敦賀気比だった。その再現での2度目の優勝にはあと1歩届かなかった。それでも県3位で臨んだ大会で準V。夏に向けて手にした収穫は大きい。「チャンスで甘い球を1球で仕留める強さを磨いていきたい」と反町はさらなる成長を誓った。【飯嶋聡美】