羽黒(山形)が、エース左腕・相沢俊輔投手(3年)と加藤太朗主将(3年)のノーヒットノーランリレーで盛岡商(岩手)を3-0で下した。昨夏、昨秋の東北覇者・専大北上(岩手)は能代(秋田)に2-1で勝利。仙台育英(宮城)は平工(福島)に10-0の5回コールドで東北大会初戦を突破した。

先発相沢は初回、1番打者をフルカウントから四球。しかし、すぐさま村上啓太捕手(3年)が二盗を阻止。「キャッチャーが刺してくれたおかげで自分に余裕ができ、ペースをつくって投げることができました」と、立ち上がりの緊張をほぐしてくれた村上に感謝した。

ペースをつかんだ相沢は、第1打席の四球からは乱れることなく、8回2死までノーヒットノーラン。10個の三振を奪った。「今日は直球がとても走っていた」と振り返り、力強い直球を軸に、チェンジアップやカーブなどの変化球で緩急を使ってタイミングをずらし、盛岡商打線を翻弄(ほんろう)した。

相沢は「5回くらいからノーヒットノーランの意識はあったが、欲を出さないで謙虚に、落ち着いて投げることが最優先だと思って投げていました」と振り返り、8回2死、ノーヒットノーランを目前に降板したことについては「最後まで投げたい気持ちはありました」と苦笑した。田村隆監督は「今日は上出来だったと思います。去年の秋、専大北上に負けた記憶(東北大会決勝=0-1)が大きいので、決勝で借りを返すために次も頑張ります」と意気込んだ。

6日、羽黒は専大北上と練習試合を行い、相沢は6回を投げ5失点。昨年の夏、秋覇者の強さをあらためて実感した。相沢は専大北上対策について「当たり前のことを当たり前にすることが必要」と語り、秋のリベンジを果たすために、今日13日の準決勝・仙台育英戦に臨む。

○…仙台育英 柴崎葉内野手(3年)が、初回2死満塁のチャンスで、内角直球を左前に2点適時打。2打席目は左翼へ三塁打を放ち、左翼手悪送球の間にホームイン。2安打2打点の活躍を見せた。県大会でもチャンスの場面で結果を残した柴崎は「チャンスで強い、得点圏で結果を残せる」と自信満々。自身の強みを次戦でも発揮する。

○…専大北上 先発の佐藤瑠聖投手(3年)が5安打6奪三振で完投。1回から3回まで3者凡退に抑えた。4回に1点を失い、8回には1死二、三塁のピンチを背負ったが、打たせて取る粘り強い投球で競り勝った。「(相手投手は)初回にリズム良く三振を取っていたので、自分もリズム良く投げてテンポ良く試合を進めようと意識していました」。持ち味の「テンポ良く打たせて取る」投球でチームに貢献した。