<高校野球春季東京大会:関東第一5-0日大三>◇21日◇決勝◇府中市民球場

関東第一が日大三を破り、5年ぶり5度目の優勝を果たした。

新型コロナウイルスの影響で、4月25日の予定だった決勝は延期が続いていた。その間に、今秋ドラフト候補にも挙がる市川祐投手(3年)が復調。日大三打線を2安打無四球で完封した。7月4日に開幕する東東京大会へ向け、勢いをつける優勝だ。

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最大のピンチで練習の成果を見せた。2-0の4回、2死から安打と味方の2失策で満塁。ここで日大三・鎌田。外中心に攻めるも、粘られフルカウント。「エラーは野球につきもの。打線がいつもカバーしてくれる。自分が抑えないと」と、最後は内角139キロで見逃し三振。直後に味方が2点を追加して流れをつかんだ。

「結構、自信になりました」。決勝の完封勝利を、そう受け止めた。2年前の夏の甲子園準々決勝。1年生ながら、優勝した履正社を相手に1イニングを3者凡退に抑えた。ただ、先輩たちに連れてきてもらった舞台。米沢貴光監督(45)は「勝つなら市川1人でと思っていた」。夏を勝ち上がるため、エースに、そしてチームに「優勝」を経験させたかった。

春先は直球が走らなかったが、5月の関東大会後にフォームを修正。この日はスカウトのガンで最速144キロ。「甲子園優勝が目標です」と、夏は日本の頂点を目指す。【古川真弥】

▽巨人木佐貫スカウト(関東第一・市川に) 変化球がゾーンに決まるのは、指先の感覚がいいからでしょう。直球も春より上がっています。