第103回全国高校野球選手権(8月9日開幕、甲子園)で、南北海道・小樽地区の北照が6度目の聖地を目指す。18、19年に連続で甲子園出場し、中止となった20年を挟み“3大会連続”に向け、今夏はキャップを新調した。「H」の文字を、シルバーから、甲子園初出場した91年と同じ赤に変え、南大会王者を見据える。

昨秋は地区初戦敗退、今春は全道準々決勝で準優勝した北海道栄に1-8の7回コールド負けを喫しており、現チームにとって夏は雪辱の舞台だ。主将の小田切順正二塁手(3年)は「昨秋、今春といい結果を残せていないが、夏の北照は強いというところを結果で示したい」と気を引き締めた。

この日の練習から“復刻キャップ”を使用。昨秋以来のメンバー復帰を果たした福田航平左翼手(3年)にとっては、縁のあるキャップだ。OBの父誠さん(47)は、91年の甲子園初出場時のエースだった。「家にある父の帽子のHも赤だった。何とか、このキャップで自分も甲子園に立ちたい」。兄卓真(八戸学院大3年)も18年夏の甲子園に出場したが初戦敗退。父、兄が果たせなかった北照夏初の聖地1勝に向け、気持ちを高ぶらせた。

今年で創立120周年ということもあり、部員97人分の復刻キャップが、OB会から寄贈された。中林洋一OB会長(58)は「この2年間、大会がなくなったこともあり、何もしてあげられなかった。何とか協力させていただきたかった」。甲子園初出場から30年。OBたちの思いも背負い、春夏通算11度目の大舞台を目指す。【永野高輔】