開幕した北北海道・十勝地区で、鹿追・士幌・大樹・本別の連合チームが幕別清陵を7-0の7回コールドで下し、今夏の連合チーム初勝利を挙げた。5月下旬に連合結成が決まり、合同練習は週末限定の計6回と限られた時間で強化し、初戦突破につなげた。

南北海道・札幌地区では、恵庭南が今夏初の延長13回タイブレークの末、石狩南を6-5で下した。

   ◇   ◇   ◇

できたてほやほやの鹿追・士幌・大樹・本別が、結成わずか1カ月で夏1勝をつかんだ。構成は鹿追6、本別2、士幌3、大樹1人の12人。勝利が決まると鹿追の校歌が流れ、大樹の校旗が掲揚された。鹿追の飯田健太郎主将(3年)は「少ない練習時間で、違うチームと力を合わせ勝ててうれしい」と喜んだ。

遠距離連合を短期間で実らせた。合同練習開始は6月上旬。コロナ禍で1回の練習は約3時間の制限あり。さらに最も遠い士幌と大樹の距離は直線で70キロ以上、道路に沿った距離で100キロを超える。大樹唯一の選手、長谷川想三塁手(3年)は約1時間半かけ士幌のグラウンドに通った。会えない平日は、全員でグループラインをつなぎ相手情報などを共有。長谷川は「やっぱり1人より大勢が楽しい。ラインが届く度に気持ちが上がった」と振り返った。

球場に来られなかったメンバーの思いも背負っての戦いだった。指揮を執った士幌の多賀順一監督(32)の配慮で「何かあった場合に辞退にならないように」と鹿追の陸上部、長沢快(3年)を助っ人登録。合同練習にも参加していたが、大会2週間前に体調を崩して入院。ベンチ入りできなかった。この日は長沢が着るはずだった12番のユニホームをベンチに掲げ、飯田主将は「何とか勝利の報告ができる」と目を細めた。

この連合1勝は、おまけもついた。85年初参戦から単独でも連合でも未勝利だった士幌が公式戦初勝利。7回にコールド勝ちにつながる右越え適時二塁打を放った士幌の谷岸佑助中堅手(3年)は「これまで連合でも勝ったことがなかったので、本当にうれしい」。次戦は昨夏、甲子園交流試合で勝利を挙げた難敵帯広農。4校一丸で、ぶつかっていく。【永野高輔】