春の県大会を制した花巻東(岩手)の菱川一輝投手(3年)は、投打二刀流でチームをけん引する。岩手大会は、12日に高田と盛岡誠桜の勝者と初戦(2回戦)を迎える。「今年は甲子園があるので(昨年の)3年生の分までやっていく」と、卒業した先輩たちの思いも背負い、最後の夏への決意をにじませた。

絶対的支柱だ。投げては最速147キロの直球と、多彩な変化球を操る。打っては、打線の中軸を担い、高校通算20本塁打をマーク。昨秋は、東北大会準決勝でセンバツ8強入りした仙台育英(宮城)に9回1失点完投。しかし、チームは完封負けを喫し、春の聖地には届かなかった。「分かっていても打てないストレートを目指してきた。夏の岩手(大会)で優勝して、日本一への挑戦権をつかみたい」と決意を新たにした。甲子園切符のラストチャンスに、すべてをぶつける。【佐藤究】